ここ最近ギリギリ提出が目立つぷちコン勢のぷちコン提出術です
※ この記事はUnreal Engine (UE) Advent Calendar 2024の20日目(その3)の記事になります。
ぷちコンとは
ぷちコンとは株式会社ヒストリアが主催するアンリアルエンジンを使った製作イベントです.
コンセプトとしては2-3日でサクッと作れる作品を応募しようということで,現在は夏と春にメインイベント,冬に映像編が開催されています.
ちなみにこの記事はアドベントカレンダーの20日目の枠をいただいたのですが,これは本日12月20日の金曜日から翌年の成人の日までに映像編があるのではないかと読んだからです.実際本日より映像編6th,テーマ「光」が開催されます.(よく考えると映像編は結構この記事の方法適用しにくい)
だいたいのスケジュールも予想でき,2025年だったらも次のような期間で行われるのではないかと予想できます.
春:(予想)2月21日金曜12時から4月7日月曜10時まで(約 日間)
夏:(予想)7月18日金曜12時から9月9日月曜10時まで(約 日間)
このように始まる時期も終わる日もだいたいスケジュールが事前にわかっているのにもかかわらず,様々な理由により最終日にもつれ込んでしまう人が,時間内に強行突破しようとする術がこの記事の本題になります.
なお,ぷちコンはコンテストであるので,最優秀賞,審査員賞,テーマ賞(回によって変わる)の計8作品前後の入賞枠,そして作品が審査会生放送で紹介されるいわゆる紹介枠というものがあります.筆者は紹介枠には入ったことがあるものの,入賞はしていません.なので,この記事に掲載された方法でギリギリを攻めすぎたことにより入賞を逃しても自己責任でお願いします.
ぷちコンで応募時に必要なモノ
ぷちコンの現在のレギュレーションではプログラムや実行ファイルの提出は必須ではありません.基本的にYouTubeにアップロードした動画の内容のみが審査対象となります.(入賞時は,審査会の後に実行データの提出が必要な場合があります)
Unityでの類似のイベントであるUnity1WeekGameJamはWebGL形式のビルド,アップロードが必要ですが,ぷちコンはこれが必要ありません.
一方で審査段階ではほかの参加者はもちろん,審査員もゲームをプレイすることは審査フォーム上はできません.(Boothなどで配布することもできるが,審査に含まれるかは不明)
自分の提出する動画にて,ゲーム作品の体験をアピールする必要があります.
言い換えると,締め切りまでに作品本体だけでなく動画も作る必要があります.
ぷちコンはUEで作った作品の動画を提出する
ぷちコンの応募フォーム
ぷちコンに応募するのに必要な情報は,本編,映像編,などで微妙に違うことがありますが,基本的には毎回同様です.ここでは3つの分類によって整理していきます.
1.作者基本情報(固定) | 2.作品情報など | 3.外部リンク |
---|---|---|
ハンドルネーム | 作品名 | 動画のリンク |
ハンドルネームの読み方 | 作品の概要(300文字) | 作品のサムネイル画像のリンク(GoogleDriveなど) |
参加賞や副賞の送付先と本名 | イベントへの感想欄 | |
メールアドレス | ||
職業 | ||
ぷちコン歴 |
1.作者基本情報(固定情報)
これらの情報は,参加しようと決めた段階から基本的には変わりません.ぷちコンのフォームはMicrosoftのフォームで作られていて,タブを消さなければ結構長い間開きっぱなしでも入力済み情報を失わずにそのまま応募できたりします.安全策としてこれらの情報を先にメモ帳やNotion等のツールにまとめておくと素早くコピペできます.
固定情報はあらかじめ目を通して必要な情報を用意しておく
2.作品情報など
この分類の情報は作品の制作スタイルにもよりますが,上記の基本情報に比べるとやや考える時間が必要です.イベントの感想は最悪なくてもレギュレーション上は許されるので,作品名と作品の概要を考えるのに時間を使いたいです.自分は,作品名についてはワンフレーズなので,企画段階で決めておくか,プレイ動画を撮影しながら考えるようにしています.タイトル画面を作る作品では自動的に決める必要があるので,自分は遊びがある程度できたら決めてしまうことが多いですね.
作品の概要については,企画段階で決めておけば楽なのですが,製作後半に考える場合文章である分,タイトルよりは並行して考えるのが難しいと思われます.
そこで,この項目に関しては動画のエンコード時間を利用します.ぷちコンではプレイ動画を提出するレギュレーションの都合上,一発取り無編集の撮影を除き,基本的には動画のエンコードが工程で必ず行われます.マシンのスペックにもよりますが,動画の時間のだいたい3倍くらいの時間はかかります.このエンコード中は,処理負荷的にも,作業工程的にもあまりUE部分の修正は行わず,基本的には作品提出のための作業は終わっているはずでただ待つだけの時間です.この時間を有効的に使うことで,作品制作に使える作業時間を5分ほど延長することができます.ライティングのビルドが必要になった場合は,その時間も使えます.
また,締め切り30分前を過ぎると,もはや9時50分に出しても9時57分に出しても,提出順に関して大差なく,大抵最終ページになります.若干早く終わったら見直しや感想の記入に時間を充てることができます.
タイトルはあらかじめ決めておくと,タイトル画面も作れて楽
作品説明には,動画のエンコードやライティングビルドの時間を活用
感想は余った時間でじっくり
3.外部リンク
この記事の中の本編かつ本当に切羽詰まった時のグレーゾーンの部分.
まず,作品の画像について.レギュレーションでは「JPGまたはPNG形式で、1~5枚まで」とあり,最低1枚の提出が必要です.これは審査発表会のOPでも使用される可能性があります.また,ファイル名にも指定があり,「作品名01.jpg」のような形式にする必要があります.
ここで,提出するのはおおもとのフォルダのリンクだけでよいという点からあらかじめフォルダを用意しておき,そこにサムネイル画像を入れるようにします.こうすると先にリンクを用意しておくことができ,実質1.の固定情報と同じようにコピペで入力でき,素早く提出フォームを入力できます.
サムネイル画像のリンクはGoogleDriveで,準備段階から共有フォルダを用意しておく.
動画のリンクに関して,YouTubeは動画はアップロードしたら基本的にはその動画を修正することはできません.しかし,動画本体以外のタイトルや説明文などは後からいくらでも変更できます.
よって,応募時はYouTubeの情報はほとんど編集せず,締め切り後の時間にゆっくり情報を修正するようにすれば,応募時にYouTubeの情報記入に時間を割く必要はありません.動画もアップロード直後はSD画質相当のものしか再生できない状態になりますが,自動で調整が進むので気にする必要もないです.
注意点として,その状態でDiscordやXなどに動画リンクをのせてしまうと古い情報のまま表示されてしまうことがあるので,共有するときはきちんと動画情報を修正してからにしましょう.
YouTubeのリンクは動画をアップロードした時点で固定,説明やタイトルは変えられるので出す時点では適当でもよい.
動画の作成
動画を作るのにも地味に時間がかかります.3分の動画で10秒に1フレーズの字幕を付けるにしても18フレーズの文が要ります.仮に1フレーズ1分で終わったとしても20分かかるため,動画作成後に控えるエンコードやフォーム入力の時間も考慮すると,動画編集は1時間前までには始める必要があります.当然素材となるプレイ動画の撮影にも時間はかかりますから,どんなに頑張ったとしても8時半くらいが,ゲームに機能を実装する締め切り限界点になります.
8時半くらいからはゲームのプレイ動画の作成に入っていきます.動画の録画に関して自分は基本的にはOBS Studioを利用しています.またゲームのプレイはビルドすることなくでき,かつレイアウトの調整もしやすい,「新規ウィンドウ(PIE)」で行います.
このとき字幕を編集の手間なく入れるために撮影段階から字幕を入れるスペースを確保するためわずかにゲームのウィンドウキャプチャを上にずらしておきます.フルHDであればちょうどウィンドウのヘッダーが隠れるくらいまでずらすと,字幕用のいい感じのスペースを捻出できます.
これを上にずらす.
字幕用スペースは事前に確保
実際の提出例
2024年春 「おすカナ」
こちらの作品は,締め切り当日(表記上は翌日)の0時ごろにスタートし,必要なアセット作成などを3時くらいまで,文字の吹き飛ばすロジックやデカールなどの処理を6時くらいまで,あまり必要のない冒頭のシーケンス作成に2時間くらいの時間配分で制作しました.しかし,この作品は物理の挙動が不安定でなかなかいい絵面が撮影できず,そのうえ上手くいったことで初めてバグが発覚して修正を強いられるなどの苦戦があり,結局9時45分撮影の極めてギリギリ提出,動画も編集時間は残されていませんでした.
しかし,この記事に書いたようなせこい時短術により超速で提出し,この作品に関しては審査会紹介枠になりました.
2024年夏 「CircleFisher」
こちらの作品は調整幅が少し少ないですが基本的はゲーム画面を上方にずらし字幕用のスペースを作っています.製作工程は前日22時にBGMや環境アセット選定,0時くらいから必要そうなアセットの制作,ロジックを3時くらいから始めて少し仮眠しつつ8時くらいから撮影し始めました.これはバグが少なかったので字幕を入れる時間に余裕ができました.この回は自分のテーマの選定と競争率の高さから特に紹介はされていません.
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