昨年の12月に洗濯機が故障したため,ヒートポンプ型乾燥のドラム式洗濯機に買い替えた.1年たった今の所感をまとめてみます.
もともと使っていたのは7年使った縦型の5.5Kgのそんなに高くない機種.4年くらい前に傾きを検知するセンサーが故障してしまい脱水ができなくなるというトラブルがあったため,センサーのスイッチをテープで止めて無理やりごまかしていました.しかし,昨年とうとうセンサに関係なく脱水ができなくなってしまいました.
一応近所にコインランドリーはあるので脱水し損ねたびちゃびちゃの洗濯物を感想させに行くことはできたのですが,その日は床がびちゃびちゃになるし,その日以降も選択ができないということで,もう耐用年数も過ぎていることもあるしと買い替えの方向に決まりました.
というのも故障前からドラム式への買い替えは検討に入っていて,自分の生活リズムではタテ型洗濯機の運用に無理が生じていたことがわかっていたからです.
自分の部屋はレイアウト上ベランダをほぼ封鎖しており,かつ浴室乾燥機なるものは設置されていないので,洗濯物は貧弱なX型の室内物干竿に干すことになっていました.また選択の頻度も3~4日に一回くらいのペースでやや1回の洗濯物の量が多くなっていました.
こうなると狭い室内竿による室内干しは風通しが悪いため,扇風機や冷暖房を駆使しても1日で乾ききらないこともあり,ひどいときは次の洗濯物がくるまで干しっぱなしなんて状態にもなっていました.だから乾きやすい服だけしか外では着られない状態に・・・
当然,部屋の真ん中に洗濯物コーナーが鎮座しているため,つねに生活スペースにものがあふれた状態になりがちで,そこを起点にさらに散らかる悪循環になっていたので,洗濯物問題は解決したい問題として策を考えていました.
そんなわけで,最初からドラム式への移行は考えていたのですが,実家の家族からは反対されます.
「ドラム式は服が傷む,縦型の方が汚れが落ちる.乾燥だけなら乾燥機を買った方がいい」
よくある三点セットです.
洗濯物問題は洗濯機の故障以前から発生していたので,今と同じような縦型洗濯機に買い替えて解決,とはなりません.何らかの方策を生じる必要があります.
1つの案は縦型の洗濯機をメインとして,周辺の器具を強化する方針です.
例えば,狭いX型の室内物干をもっと大規模なラックに買い替えて,洗濯物同士の間隔を大きく取れるようにすることで,風通しを良くし乾きやすくさせるという作戦があります.
また,規模は様々ですが乾燥のみの乾燥機を買うという作戦もあります.いわゆる乾太くんタイプだけではなくて,衣類の周りを囲んで乾燥ブースをつくるものや,ストーブのように洗濯物に充てるだけのタイプなど,乾燥機系もいくつか候補はあります.乾燥機能(NOT風乾燥)つきの縦型洗濯機なんてのもあります.
ドラム型を採用するプランの場合は乾燥方式が焦点になります.なお,当然ながら乾燥機能なしは考慮外になります.
値段は高いが洗濯物が比較的傷みにくいといわれているヒートポンプ式か,乾燥できるものがヒートポンプ式より制限がかかるものの値段がヒートポンプ式より安いヒーター式の択になります.
値段的な比較をすると,縦型+α<ヒーター式<ヒートポンプ式 の順で,おそらく縦型に設備投資するパターンは,ドラム式導入に比べると安くなる計算になります.
一方で便利さで言えば,ワンタッチで洗濯から乾燥までやってくれるドラム式が高くなり,順番は対応の洗濯物の範囲と合わせてヒートポンプ式>ヒーター式>縦型+αになります.
こうなってくると,お金をかけてラクするか,ここをおさえてお金を節約するかという話になってしまいそうですが,ここであることに気がつきます.
それは,「縦型洗濯機+αのパターンは大なり小なりモノを干すスペースが必要で生活空間を圧迫することになる」ということです.これは洗濯物スペースのために1畳から2畳ほど家が狭くなることを示しており,それをなくせるドラム式のパターンだと家が若干広くなり結果的に家賃効率が良くなるのではと考えました.
例えば縦型洗濯機+αのパターンだと毎月家賃を3000円ほど損しているという仮定すれば,上記の価格差の問題は長期的にはあまりなくなると自分を納得させることができます.
このひらめきによって家族の意見を押しのける根拠ができたので,縦型洗濯機+αは却下され,ドラム式のどちらかの択になります.ここで,乾燥機に対応できないものがほとんどだと結局洗濯物ブースを部屋から撤去することができない,という視点から,ヒーター式も候補から外れ,一番出費が多いパターンのヒートポンプ式を選ぶことになったのでした.
自分はそこまでおしゃれ着で気を遣う必要がある衣類を持っていないし,あったとしてもそれはそれだけで洗えば,さすがに一時的に1着や2着くらいを干すスペースであれば用意することはできます.なので,そのほかの一般衣類のうちヒートポンプ式に対応できない衣類には残念ですが淘汰されてもらう作戦です.
てなわけでヒートポンプ式のドラム式を選んでいくのですが,お求め安い20-30万クラスの機種はそんなにありませんでした.
そのうえ,自宅の洗濯機水栓の位置の高さが110cmほどとやや低く大型の洗濯機はほとんど入りません.また乾燥機能は当然多くの消費電力がかかるわけですが,1000Wも使われるとPC類やほかの電力食いとぶつかって乾燥中び自宅での生活環境に大きな制限がかかってしまいます.
なので,乾燥の消費電力が低く,サイズも小さめという機種で,ほぼ自動的に決まったのがAQUAの10Kgの機種です.乾燥の消費電力はたしか600W程度だったはずです.HITACHIやPanasonicはサイズや消費電力,(あと価格)の面で見送りに・・・
ヒートポンプドラム式にしては最安価クラスですが,それでも洗濯機全体の中では高価な部類なので,洗剤自動投入やミドルクラスレベルの便利機能はついています.1グレード位上げるとさらにたくさん機能が入ってくれたみたいですが,もとの洗濯機がほぼ洗濯するだけだったので,そこまで機能は求めずこの機種を選択しました.

現在は使って1年くらいたつわけですが,当初の狙い通り住環境と洗濯環境は大いに改善されています.
まず,洗濯についてですが,特に洗浄力が落ちた感じもしません.もともとそんなに汚れた衣類を選択していなかったのと,元が過積載ぎみで洗浄力に影響が出ていたということもありそうです.
また乾燥についてもすべての衣類を乾燥にかけていますが,こちらも特に縮んだり痛んだりが目立つといったことは現時点ではありません.タオルに関しては,部屋干し時代はゴワゴワになっていたのでむしろ改善されたくらいです.この辺は着る服の傾向にもよりそう.
洗濯スペースが撤去されたことで部屋は広くなって片付いた状態を維持するのも楽になりました.
床に何か物が置かれている状態はその周りにものが散らかる原因になるので,散らかる中心となる存在を取り除けたのは住環境的にはかなりプラスになりました.
電気代については夏場は冷房との併用時間が生じてしまうのでやや上がってしまいましたが,冬場については暖房と送風機が不要になったので,むしろドラム式導入以前よりも下がることになりました.
一応乾燥機のフィルター清掃などは毎回行う必要があるのですが,ブラシで軽くなぞってあげれば済むので,部屋のスペースが占有されたり洗濯物を干すのに時間を奪われるのに比べれば些細な手間です.
自分の持論としては,きちんと外干しできる環境があり,洗濯というか時において最大の取り組みができる環境であるならば,縦型洗濯機が優位なのは間違っていないのでしょうけれど,自分のように縦型洗濯機の効果を最大限発揮させることができないような環境・スタイルの場合は,ドラム式が効果的なのかなと思います.
頑張れば100点を狙えるけど,30点を取る可能性がある縦型と,少し面倒を見る必要はあるけど安定して70-80点が取れるドラム式という感じですかね.


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